Miyota D&D
御代田D&D 御影用水の長屋
長屋(住宅+賃貸住宅+コモン) 長野県北佐久郡御代田町
2022
コモンを有する現代の省エネ長屋
東京より移住した30代の夫婦と子供のオーナー住居と、子育て移住などを検討する家族を主な対象とした賃貸住居、およびイベントでも使えるコモンスペースで構成される現代の省エネ長屋とした構想した。
静かな水面の美しい御影用水ほど近くの敷地、浅間山を北に臨む南向きの緩斜面をいかしたスキップフロア状の断面のデザインにより、豊かな空間意匠と高い環境性能の両立をはかった。
住居の南側には、1階の菜園に面する「土間リビング」と明るく眺望のよい2階の「ひだまりリビング」の対照的な2つのリビングルームを配置。中央に設けた吹き抜けと南北の床のレベル差により、北側のダイニングや書斎スペース、寝室にも自然光が柔らかく注ぐ。
近年若い世代の移住者も増え、急速にニーズの高まっているこのエリアに不足している質の高い賃貸住宅のプロトタイプとなることをめざした。 地域区分3に該当する地域で、高断熱高気密のパッシブデザインに基づき計画した。
屋根断熱は吹込みセルロースファイバー400mm、壁充填断熱HGW105mm、付加断熱フェノールフォーム50mmとしている。賃貸部含め開口部は全てトリプルガラスとし性能を確保、維持管理を含めたコストパフォーマンスと性能を重視しダクトレス方式による全熱交換型換気システムを採用した。オーナー住居部の玄関は断熱気密性能に優れたガデリウス製スウェーデンドアを採用した。
HEAT 20 G2レベルの断熱性能を確保したうえで、「ひだまりリビング」及び「土間リビング」の空間によって、日射取得と北側まで光を取り込むデザインとの連携を図り、吹き抜け空間に設置した空調機一台で、冷暖房需要を処理している。
2住戸の長屋として界壁を共有して外皮面積をおさえ、太陽光発電を搭載した本建物は、オーナーの省エネルギーに対する高い関心と社会課題へ責任を持つ姿勢を体現している。
受賞歴
第6回日本エコハウス大賞2022・入賞
掲載
- 建築知識ビルダーズ No.50(2022 Autumn)掲載
- 建築知識ビルダーズ No.51(2022 Winter)掲載
DATA
担当 会田友朗 中村裕
担当 坂田涼太郎 堀内拓磨
オーナー住居 143.07m² / 賃貸住居 79.08m²