2023年の新春を迎え、謹んで年頭のごあいさつを申し上げます。
神楽坂は晴れやかな朝を迎え、リズミカルな赤城神社の太鼓の音が聴こえるなか、アトリエの戸を通りに大きく開き木箱を表に出して、本日より業務を開始いたしました。
2022年は長引くパンデミックや戦争の勃発など混乱の年であり、設計や現場への影響も少なくはありませんでした。一方、アトリエにとっては、いくつかの意味で節目と言える年ともなりましたので、いくつかここに記してみたいと思います。
・15年以上、公私にわたり関わらせて頂いた(住宅や公共施設、そしてお米づくり等)長野県の御代田町にて、4つの新築プロジェクト(建築としては5棟)が立て続けに竣工するという幸運に恵まれました。移住のための平屋の住宅、賃貸併用住宅(長屋)、住宅+アーティストのアトリエ、里山環境を守る拠点施設と用途も様々ですが、そこで「実現したいこと」の明確なお施主様方から教わることも日々多く、設計を通して成長させて頂いた思いです。
・2月、C+A・アイダアトリエ・日建設計(エンジニアリング)設計企業体として、「静岡県・新県立中央図書館整備事業設計業務委託」に係る公募型プロポーザルにて最優秀技術提案者として特定され、4月より基本設計を開始、濃密な日々を過ごしています。これまでにない新しい協働のかたちを示す設計体制として、変化する未来を見据えた新しい図書館あるいは公共施設のモデルとなるような設計を提示できるようチーム一丸となって努力しています。
・9月、数カ月の準備期間を経て、新しいウェブサイトのリニューアルを行うことができました。まだ至らぬ点もあるかと存じますが、今後さらなる内容の拡充にも努めてまいりますので温かく見守っていただければ幸いです。
・10月、「御代田D&D」が第6回日本エコハウス大賞2022の新築部門に入賞しました。引き続き、環境負荷が低く性能が高いだけでなく、環境との連続性やデザイン性、居心地とのバランスがとれた建築をつくるべく精進してまいります。
・11月、都城市立図書館にて視察のアテンド。館内で開かれた「まちなか調整会議」でも講演の機会を頂きました。いまもいきいきと使われている空間の様子にこちらが元気を頂く思いです。12月には、都城市立図書館について、日本建築家協会(JIA)関東甲信越支部の会報「Bulletin」に記事を寄稿しました。
・教職では、2020年より引き続き、千葉大学、東京電機大学、芝浦工業大学にて非常勤講師で設計製図を担当しております。とくに芝浦工業大学では、留学生グループも担当することになり、自身がアメリカ東海岸に留学していた20年程前を思い出しながら、いま東京という都市で何かをつかもうとしているヨーロッパやアジアをはじめとする世界各国の学生達とともに刺激を受け、学び合うことに挑戦しています。
先の見通しにくい世相ではありますが、本年も、風景がつくる建築、人の集まる創造的な場、居心地の良い空間づくりに邁進して参りますので、皆様引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
株式会社アイダアトリエ
代表取締役 会田友朗