House in House
住宅(別荘) 静岡県下田市白浜
2018

美しい白浜海岸から2キロほど離れた山林の中腹に位置する木造平屋の別荘建築である。敷地は緑豊かな環境で眺望は南に開けているものの、周囲は年月を経た住宅地とも別荘地ともつかない曖昧な状態で、その中でいかに非日常を過ごす別荘の空間として設えるかは建築のあり方に委ねられているように感じた。
クライアントはもともと旅行やキャンプなどアウトドアが好きな家族であり、滞在する時間の大半は屋外で過ごすであろうことが打ち合わせのなかで明らかになっていった。そこで、単純な正方形の平面構成を採用しながらも、周囲の屋外の状況に応じて距離を取り、豊かな内外の関係をつくることが設計のテーマとなった。結果、天井が高く天窓のあるリビングを中心に二重の壁でぐるりと「回の字」状に囲む平面構成を採用した。リビングの周囲は回遊性を担保しつつ方位に応じて、土間や寝室(和室)、厨房、洗面、シャワー、トイレなどの機能空間とした。内外の壁の開口の位置を揃えたりずらしたりすることで、庭や景色に開いた場や、周囲の視線から守られた場など多様な居場所をつくることをめざした。
DATA
担当/会田友朗
担当/我伊野威之


